哲学 (現代人間論) (昼) |
単位数 | 学年配当 | 開講形態 | 教員名 |
---|---|---|---|
2 | 1 | 前期 | 福 田 静 夫 |
テ┃マ | 「いのち」 と人間 |
講義のねらい |
現代の哲学の特徴は、 著しく 「いのち」 とその自然的・社会的・文化的環境への関心に集中する傾向にある。 現象学や実存主義が身体論や疾病論を掘り下げ、 分析哲学から生命倫理学や環境倫理学が派生し、 自然史・社会史に重ねて多元的な文化論やコミュニケーション論、 さらにはグローバリズムが史的唯物論と交錯し、 政治哲学では福祉国家論とあわせて、 生命権力論が主題化しているなど、 文部省教科書型の哲学者とその主作品を連想ゲーム的に扱う手法では、 その多様性と現代性にはとても追いつかない状況にある。 こうした思想状況そのものは、 社会福祉に引きつけて言えば、 現代の社会福祉制度が、 国際的にも国内的にも、 いま新しい転換と模索の時代を迎えていることの反映である。 この講義では、 限られた時間のなかでではあるが、 現代の 「いのち」 が置かれている歴史的・社会的・文化的な状況をできるだけ多面的に解明し、 今必要な人間的な視点を出来るだけ豊かに呈示することにする。 「いのち」 に対する深くて豊かな哲学的な理解がなければ、 人間のためのまともな 「社会福祉」 を創り出すことは不可能である。 |
講義のながれ |
1 はじめに 現代哲学と 「いのち」 の人間論の立場 2 序 章 1 「いのち」 の自然史 3 2 「いのち」 と環境問題 4 第一章 1 「いのち」 のなかの 「私」 5 2 「いのち」 の産みと育ち 6 3 「いのち」 の南北問題と 「従属人口」 7 第二章 1 20 世紀:戦争の時代と 「いのち」 8 2 高度成長下の 「いのち」・格差づけられる 「いのち」 9 3 「過ぎ去らぬ過去」 10 第三章 1 「ゾーン・ポリティコン」 と 「自然法」 11 2 「レッセ・フェール」・「疎外」・「従属」 12 3 「正義」 論と 「平和学」 13 終 章 「人権」 と 「福祉国家」 * (このスケジュールは、 具体的な進行のなかで、 若干変更することがあります) |
学習上の留意点 |
テキストを中心にして、 プリント資料、 ヴィデオ教材で講義の理解に資する。 テキストは、 かならず講義部分を事前に予習しておくこと。 講義を受講者の関心に近づけるために、 質問、 意見、 要望を歓迎し、 感想文を書いてもらう。 |
成績評価 |
講義中に、 随時、 小テスト・感想文を提出してもらうとともに、 期末にはテストをおこなう。 成績は、 感想文の提出度数とその内容、 テストの成績などを総合して判定する。 |
テキスト | 福田静夫 『「いのち」 の人間学』 青木書店 1998 年 講義は、 最初からテキストを前提にしておこなうので、 かならず購入すること。 |
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