くらしと経済A

単位数 学年配当 開講形態 教員名
2 1 前期 大 木 一 訓

テ┃マ くらしと経済

講義のねらい
 経済学というと、 なにか金儲けの技術を学ぶことだと考えている人たちがいる。 そうでなくても、 庶民のくらしとは縁遠いことばかり問題にしている学問だと思っている人たちも多い。 たしかに、 そういう 「経済学」 がないわけではないけれども、 本来の経済学はそういうものではない。
 経済とは、 もともと経国済民、 つまり国を治め人民のくらしを救うという意味である。 経済学が究極的に目的にしているのは、 国民のくらしを豊かにするためにはどうしたらよいか、 という問題を解明することである。 この目的を忘れてしまった 「経済学」 は、 本物の経済学とはいえないだろう。 経済理論も経済史も経済政策も、 経済学が問題としている事柄は、 一見縁遠いように見えても、 私たちの生活に深くかかわりをもっている。
 しかし、 さまざまな経済現象と日常生活とのかかわりを把握することは、 そう易しいことではない。 そこでは、 人間の社会活動が生み出している事柄が、 あたかも天変地異のような 「自然現象」 として展開されている。 科学技術の飛躍的発展と経済活動の地球規模的広がりによって、 遠く離れた、 見たことも聞いたこともない国・地域の問題が、 驚くほど早く大きく生活に影響してくるという問題もある。 それは同時に日本が、 個人としても地域経済としても国民経済としても、 世界に思いがけない大きな影響を及ぼしている、 ということでもある。 さらに新世紀を迎える今日では、 経済成長も食料も資源も環境も、 重大な困難に直面しているという現実がある。 そこでは、 人間の資質や文化も、 ジェンダーや家族やコミュニティーも、 およそ人間という存在そのものが大きな変容にさらされており、 経済問題も、 これまでの枠組みのなかで考えるだけではすまなくなっている。
 これから経済学を学んでいく学生諸君には、 こうした今日的状況を視野に入れながら、 日常の暮らしとのかかわりのなかで経済問題を深くつかみ、 福祉大学にふさわしい 「人間の顔をした経済学」 を身につけていってほしい。 本講座は、 そのための刺激的なオリエンテーションを、 本学経済学部教員によるリレー講義によって、 さまざまな角度から提供しようとするものである。

講義のながれ
 講義内で提示する。

 

学習上の留意点
 講義は、 教員と学生諸君との共同作業によって作り出すものである。 学生諸君の講義への積極的参加を期待したい。

 

成績評価
 本講義では、 毎回の講義におけるコメント提出が重視される。

 

テキスト 特になし。 参考文献はそのつど指示する。


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