現代文化論

単位数 学年配当 開講形態 教員名
4 3 通年 福 田 静 夫

テ┃マ 変化の時代の文化と人間

講義のねらい
 日本の憲法第 25 条に 「健康にして文化的」 というように、 「文化」 は現代の国民生活にとっての不可欠な要件の一つである。 人間の生活は、 その現状の承認においても、 またその批判においても、 それぞれに 「文化」 を尺度としている。 「文化」 が現状とその批判とに二重化する傾向は、 今日のように時代の転換がグローバルなものであり、 その奥行きが深い時には、 いっそう深刻な 「葛藤」 や 「摩擦」 の根源となり、 その影響は物質的な生産から精神的な生産にまでまたがり、 一人ひとりの人間が生活の中に 「真善美」 の小宇宙を創造していこうとする努力を規定することになる。 この講義では、 時代と社会の影を宿し、 そのもとで生きる人間の哀歓・苦悩・希望に関わっている現代の 「文化」 の人間的な意味を追ってみたい。

講義のながれ
はじめに 人類文化の発祥
第一部 文化の生成と展開
 § 1  人間の生活様式の特質
 § 2  文化と生活
 § 3  文化と伝統
 § 4  文化の国際性
 § 5  二〇世紀文明の出現
 § 6  文化と現代社会
第二部 二〇世紀の技術と文化
 § 7  資本主義と人間疎外
 § 8  ハイテク化する戦争
 § 9  宇宙時代の人間
 §10 電子の時代
 §11 遺伝子の時代
 §12 人間の部品化
第三部 文化と人間の課題
 §13 人間の 「自由」
 §14 環境の再建
 §15 民族差別と民族紛争
 §16 ジェンダー問題
 §17 子どもの犠牲
 §18 老いの文化
第四部 文化と人間的解放
 §19 「神」 から 「人間」 へ
 §20 近代の光と影
 §21 創造と癒し
 §22 救いの文化
 §23 抵抗の文化
 §24 価値としての文化
まとめ 現代文化の模索
 *講義時間数の関係で、 この 「ながれ」 を変更することがあります。

学習上の留意点
 ここでは、 「文化」 を広い意味で理解し、 「技術」 と 「美」、 「伝統」 と 「創造」、 「生活」 と 「超越」 などの様相に留意していく。 今年は、 文化の現代的な特徴に重点をおき、 「映像」 を積極的に活用した講義をおこなう。 「映像」 の意味を自分の文字と言葉に定着する努力をして欲しい。

成績評価
 随時小テストを行い、 中間試験と学年末試験の成績とを合わせた総合評価を行う。

テキスト 特定の文献を指定せず、 適宜プリントを用いる。 参考文献は、 随時講義中に提示する。


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