創立60周年記念事業

キャッチコピー校内公募

創立60周年記念事業の一環として、記念誌キャッチコピーを校内公募しました。
多数の応募作品の中から最優秀作品・優秀作品各1点、佳作作品3点が選定されました。

〈 最優秀作品 〉
「ふくし」の花束で
夢を創ろう
2017年度 1年 金村はるな
作品に込めた思い
「誰かのために」という思いを持った人達が集まって60周年を迎えた付属高校。
これからもたくさんの人を未来に導いてほしい。
「花束」は花を素敵な人と例えています。「ふくし」は日本福祉大学付属高校の福祉です。

映画「世界でいちばん長い写真」撮影協力

日本福祉大学付属高等学校で実際にあった話を題材にした青春映画「世界でいちばん長い写真」が、2018年6月から全国で公開されました。撮影は前年夏、本校を含む知多半島を舞台に行われ、本校生徒らも参加しました。

キャスト:
高杉真宙/武田梨奈/松本穂香/水野勝/吉沢悠/小松政夫 ほか
原作:
誉田哲也『世界でいちばん長い写真』(光文社文庫刊)
監督・脚本:草野翔吾

世界でいちばん長い写真
撮影終了後の記念撮影写真
撮影終了後、原作者の誉田哲也さん、草野翔吾監督や俳優の皆さんと記念撮影を行いました。

文化講演会

講演録「役者として 人として」
講師:近藤 芳正 氏(俳優)
1979年度卒業生
日時:2018年5月26日(土)14:45~15:15
会場:日本福祉大学120教室
講師:近藤芳正氏(俳優)

卒業生である俳優の近藤芳正さんをお招きして、
PTA、同窓会、後援会合同の創立60周年記念文化講演会を開催しました。
多くの方に参加いただき、盛況な講演会となりました。

役者人生の原点は、小学生の演劇会

知多半島は子どもの頃に海水浴をした思い出があり、中部国際空港にもロケで訪れたことがあります。美浜町に移転した付属高校に来るのは初めてですが、素晴らしい校舎になっていて驚きました。私が立花髙校で過ごした3年間は学園総合移転計画のまっただ中で、名古屋市昭和区にあった仮校舎はプレハブ造りで、夏は暑く冬は寒いという印象が強く残っています。

私は1961年に名古屋市瑞穂区で生まれ、その後、中村区で中学1年生の夏までを過ごしました。初めて“役”を演じたのは小学校の演劇会です。クラス投票で選ばれた役を演じたところ、先生や父兄の方たちが褒めてくださいました。小学生の頃の私は、身長は160cmに満たないのに体重が75kgもある肥満児で、「これほど人に褒めてもらえることは、そうそうないだろう」と嬉しかったことを覚えています。

当時は絵を描くことも好きで、中学生になるタイミングで父親に「児童劇団に入団したい」「油絵の絵の具を買ってほしい」という2つのお願いをしました。どちらか一つにしなさいと言われ、悩んだ末に選んだのが児童劇団。約40年役者を続けていますが、もし、このときに絵の具を選択していたら、きっと現在の自分はなかっただろうと思います。

学校で授業を受け、夜はテレビ局のスタジオへ

児童劇団では演技のいろはを教わり、中学3年生のときにNHKのドラマ「中学生日記」のオーディションに合格し、高校1年生まで出演させていただきました。「東京で役者になりたい」。本気で役者をめざすようになったのもこの頃です。授業後はテレビ局のスタジオで過ごす毎日が続き、勉強にはあまり興味を持てませんでした(笑)

そして高校卒業後、文学座の養成所のオーディションを受験。当時の文学座には角野卓造さんや中村雅俊さんがいて、「ここに入れば何とかなるだろう」という理由でした。「中学生日記」に出演した自分には“キャリア”もあるから大丈夫だろう、そう軽く考えていたのですが第一次審査で不合格となりました。実はもう一つ、東映演技研修所のオーディションには合格していたのですが、面接でしきりに「オートバイの免許は持っていますか?」と尋ねられるのです。ふと面接会場の裏を見たら、仮面ライダーの撮影をしていて、どうやらショッカー役が足りなかったようで・・・。慌てて辞退させていただきました。

19歳で上京、そして28歳の挫折

オーディションに落ちて進路に迷っているとき、相談にうかがったのが「中学生日記」で先生役をされていた湯浅実さんでした。「とにかく東京へ」という私の思いを汲みつつ、「しっかり準備をしてからでも遅くはない」と諭され、1年間、湯浅さんのもとでいろいろな経験をさせていただきました。そして翌年、19歳のときに上京して、湯浅さんも所属する青年座の研究生となりました。青年座はかつて西田敏行さんも所属した劇団で、私は七期生。一期上に竹中直人さん、二期上には段田安則さんがいて、日本全国から役者志望の若者が集まっていました。ホテルで皿洗いのアルバイトを始めたのですが、「彼が将来を有望視されている若手演出家だ」と紹介された人が、自分の隣で一緒に皿洗いをしている状況に、「とんでもなく厳しい世界だ」と絶望感が重くのしかかってきたことを覚えています。

実際、研究所を卒業した後も、特定の劇団に所属することなくフラフラとしていました。レオナルド熊さんが作・演出を務める劇団七曜日のオーディションに合格し、それなりに経験は積んでいましたが、アルバイトをしながらお芝居をするという生活は変わりませんでした。25歳になったとき、渡辺正行さんが劇団七曜日の座長になるということで、自分も幹部職を任されたのですが、自分の主な仕事は劇団運営のための制作雑務やチケットノルマの割り当て。そんな生活が3年続き、「30歳を過ぎてもアルバイトをしながら役者を続けるのか」と自問した結果、「もう役者は辞めよう」という結論に至りました。東京に出てきて約10年、28歳のときでした。

「開き直ることで、道が開かれていった」

夢を諦めたかけたとき、同時に心に浮かんだのは「悔いだけは残したくない」という気持ちでした。当時は劇団の雑務に追われ、「どんな役者になりたいのか」「どういうお芝居をしたいのか」という目標さえ忘れてしまっていました。悔いを残さないないために何をすれば良いのか。たどり着いた答えが「自分が本当にやりたいことをしよう。それでダメならきっぱりと諦めよう」という覚悟でした。

そこからいろいろな舞台を観て歩き、面白いと感じた劇団に出演を直談判。そのひとつが、三谷幸喜さん主宰の東京サンシャインボーイズだったのです。当時はまだ無名の劇団でしたが、真面目さの積み重ねが喜劇になる、という芝居がとにかく面白かった。三谷さんとの面識はありませんでしたが、劇団員の相島一之さんが同じ銭湯に通う間柄だったので、彼を通じて出演させてもらうことになりました。

もちろん、芝居だけでは食べられないという状況は変わりません。でもなぜだか「これも楽しい」と感じることができたのです。きっと、自分が本当にやりたい芝居はコメディなのだと気づけたからなのでしょう。自分の“幸せ”が見つかって、「人に何を言われても関係ない」「食べられなくても良いじゃないか」と気持ちが楽になったのだと思います。そうこうしているうちに三谷さんが人気作家となり、私にも仕事のオファーが届くようになりました。岐路に立たされ、開き直ったとたんに、一気に道が開けていく。人生は本当に面白いものだと思います。

演じる上で大切な「人間力」

実際に役者として食べていけるようになったのは32~33歳の頃です。舞台や映画、テレビでいろいろな作品に出演できるようになりましたが、今度は「いつまでこの生活が続けられるのだろう」と、もがき始めるのです。30代後半は常にそういう不安を感じていました。このままではまずい、と考えを改めたのが40歳を過ぎた頃。以前の自分は舞台で殺陣をしたり、歌うことを「苦手で嫌いだから」という理由で避けてきましたが、自分に都合の良い価値観を“盾”にして、チャレンジさえしないのはいかがなものかと。他の劇団の公演に出演したり、プロデューサーとして自分で芝居を作ったり、とにかく新しいことに挑戦しました。

脚本を書くことで作家の気持ちが理解できるし、立場が変わればものの見方も変わるもので、今までに経験がないことを始めると、いかに自分を人として成長させられるかを意識できるようになりました。新しい挑戦の一つとして、若手俳優に向けた演劇ワークショップも開催していますが、さまざまな場でたくさんの人と関わることで、少しずついろいろなことが楽になってきたと感じています。

私は演じる上で大切なことは、人間力を磨くことだと思っています。芝居は共演者やスタッフなど、多くの人と一緒に作り上げる共同芸術で、一人の力だけでは何もできません。なにより演じる人物を通して、近藤芳正を見ていただくためには、広い意味での人間力が欠かせません。今年で57歳になりますが、ようやく他者をリスペクトする気持ちを持ち、「ありがとう」という感謝の言葉を自然に唱えられるようになってきた気がします。

Profile
近藤 芳正
Yoshimasa Kondo

1961年名古屋市生まれ。1980年3月立花髙等学校卒業。中学3年~高校1年までNHKドラマ「中学生日記」に出演。19歳で劇団青年座の研究生となり俳優の道へ。90年代後半から東京サンシャインボーイズの客演俳優として脚光を浴び、以後テレビ、映画、舞台で幅広く活躍。演劇ユニット「バンダ・ラ・コンチャン」を主宰するほか、多角的で挑戦的な創作を展開し、後進の指導にも力を注ぐ。2018年、初監督作品「上り坂ください」が、さぬき映画祭ショートムービーコンテストで9位入賞。

教育環境の整備

英語教育の充実とグローバル化をはじめとする本校の教育改革に対応した
教育環境の整備を、創立60周年記念事業として実施しました。

視聴覚室
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図書室アクティブラーニングスペース
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進路指導室
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