日本福祉大学重点研究の推進支援
-「アンブレラ」機能-

 日本福祉大学は、文部科学省の2002年度私立大学学術研究高度化推進事業「学術フロンティア事業」の採択を受けて以降、連続して大型の競争的外部研究資金の獲得を続けてきました。2003年度から5年間は、文部科学省21世紀COEプログラムに福祉系大学で唯一採択され研究が推進されました。研究テーマは「福祉社会開発の政策科学形成へのアジア拠点」で、本研究所のミッションと同じ『福祉社会開発』を「政策科学研究」と融合することで推進する研究事業でした。
 この取り組みの研究蓄積が、その後の大学の研究長期計画の中核となりました。福祉社会を支える新しい学術的・政策的な研究体系を構築する方法として、「『福祉社会開発』の総合的研究、『福祉政策科学』の総合的研究を本学の特定重点研究領域とし」、その構想を特定重点研究センターの設置と外部研究資金獲得を通して推進していくというものです。
 ここでの研究推進の特徴は、「福祉社会開発研究所」は空間的な拠点機能を持たずに、研究所の使命である『福祉社会開発研究』という大きな傘(アンブレラ)の基で、特定重点領域研究の推進を支援するという方法によって担われたことです。福祉社会開発研究所として、研究員等各研究組織体制の運用支援、インキュベート期間における研究資源支援、研究受託事業と研究シーズを結び付ける社会連携推進支援、等の機能を果たしています。
 それらを通じて現在においても、特定重点研究領域の研究は福祉社会開発研究所の支援を受けて積極的に推進されています。

2006年「第1期研究長期計画」、2011年「第2期研究事業計画」の特徴

2006年「第1期研究長期計画」

特定重点研究領域の推進

「福祉社会開発」の総合的研究

  • 採択事業:21世紀COEプログラム「福祉社会開発の政策科学形成へのアジア拠点」の推進
  • COE研究の成果を引き継ぐ「東アジアの研究拠点を中心にした福祉社会開発のための国際的レベルの研究推進」(アジア福祉社会開発研究センターの設立を志向)

「福祉政策科学」の総合的研究

  • 「地域ケアの政策・臨床評価」研究の継続推進
  • 「福祉政策評価」研究の推進
  • ケアマネジメント総合研究の推進

2011年「第2期研究事業計画」

  • 研究の内発的推進
  • 国際的な研究ネットワーク形成の支援
  • 社会貢献型研究センター構想
  • 教育研究への着手と展開
  • 研究センターの継続的・安定的運営の強化

文部科学省 研究拠点形成等補助金:採択一覧

採択ファンド名 推進機関 採択期間 プロジェクト名
「21世紀COEプログラム」 2003(H15)年度
~2007(H19)年度
『福祉社会開発の政策科学形成へのアジア拠点』
「私立大学学術研究高度化推進事業/学術フロンティア事業」 第Ⅰ期 【地域ケア研究
推進センター】
2002(H14)年度
~2006(H18)年度
『地域ケアの政策・臨床評価とその活用システム構築に関する研究』
私立大学学術研究高度化推進事業/学術フロンティア事業」  第Ⅱ期 【地域ケア研究
推進センター】
2007(H19)年度
~2009(H21)年度
『地域ケア推進のための政策空間の形成とボトムアップ評価に関する研究』
「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」 【アジア福祉社会
開発研究センター】
2008(H20)年度
~2012(H24)年度
『国際共同フィールドワークに基づく福祉社会開発の方法論研究』
「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」 【健康社会
研究センター】
2009(H21)年度
~2013(H25)年度
『Well-being(幸福・健康)な社会づくりに向けた社会疫学研究とその応用』
「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」 【地域ケア研究
推進センター】
2010(H22)年度
~2014(H26)年度
『社会関係再構築に向けた地域福祉的解決のデータベース開発と評価』
「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」 【スーパービジョン
研究センター】
2014(H26)年度
~2018(H30)年度
『ヒューマンケアにおける重層的スーパービジョンのシステム構築』
「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」 【福祉政策評価
センター】
2015(H27)年度
~2019(H31)年度
『重複化する福祉制度の設計と自治体運用に関する評価とフィードバック』

重点研究の推進