第5回夏季大学院公開ゼミナール企画実践と政策をつなぐメゾ研究への接近

「分析的な実践、実践的な研究をどう作り出すか」でスタートした夏季大学院公開ゼミナールも、第5回をむかえました。今回は、「実践と政策をつなぐメゾ研究への接近」を取り上げます。実践と政策の架橋については、福祉分野ではよくいわれる研究課題です。しかし、それを進めるための具体的な方法については、必ずしも正面に据えて議論されてこなかったといえます。メゾ研究という呼び方でその領域を設定し、それへの接近方法について、多様な研究事例をもとにていねいに解説します。

日程 : 2009718日(土)・19日(日)

会場 : 日本福祉大学名古屋キャンパス北館8階

申込はしめきりました

【7月18日(土)】

企画趣旨「夏季大学院ゼミナールで研究方法を学ぶ意味」

シンポジウム1「認知症高齢者と介護 ―その研究課題と方法の最前線を語る―」

北村 育子 日本福祉大学社会福祉学部教授

湯原 悦子 日本福祉大学社会福祉学部准教授

コーディネーター 後藤 澄江 日本福祉大学社会福祉学部教授

講演「高齢・障害・地域福祉におけるメゾ研究法を探る」

平野 隆之 日本福祉大学社会福祉学部教授

シンポジウム1「若手とともに進めたメゾ研究の試行錯誤
  −地域ケア研究推進センターという実験装置−」

奥田 佑子 地域ケア研究推進センター研究員
佐藤 真澄 地域ケア研究推進センター研究員
斉藤 雅茂 地域ケア研究推進センター研究員 

コーディネーター 平野 隆之 日本福祉大学社会福祉学部教授

 

【7月19日(日〕】

分科会「質的研究法入門」

田中千枝子 日本福祉大学社会福祉学部教授
鳥巣 佳子 兵庫医科大学病院MSW

「量的調査法への誘い ― 仮説の立て方と検証の仕方」

末盛 慶 日本福祉大学社会福祉学部准教授

「コミュニティソーシャルワークの事例研究」

勝部 麗子 豊中市社会福祉協議会地域福祉課長
平井 俊圭 伊賀市社会福祉協議会事務局長
原田 正樹 日本福祉大学社会福祉学部准教授

 

「ケアの質と施設の組織・管理」

冷水 豊 日本福祉大学大学院客員教授
石黒 文子 愛知淑徳大学コミュニティ・コラボレーションセンター助教

 

「高齢者の居住と福祉に関する研究動向とその方法」

児玉 善郎 日本福祉大学社会福祉学部教授
岡部 真智子 日本福祉大学通信教育部福祉経営学部助教

 

 

7月18日(土)―シンポジウムI・講演・シンポジウムU

シンポジウム1 「認知症高齢者と介護 ―その研究課題と方法の最前線を語る―」

講師 : 北村 育子  (日本福祉大学社会福祉学部教授)
湯原 悦子 (日本福祉大学社会福祉学部准教授)
コーディネーター : 後藤 澄江  (日本福祉大学社会福祉学部教授)

  認知症高齢者と介護をめぐって、先駆的実践が各地で見られるようになっています。そのような流れを後押ししていくには、現場ニーズの客観的把握や実践知を意味づけ・検証するための研究課題の整理と研究方法の開拓が期待されています。認知症高齢者にかかわる研究を推進してきた2人が、一方は記録等の手法による当事者理解、他方は裁判事例分析という手法による家族介護者把握について語ります。

 シンポジウム1「高齢・障害・地域福祉におけるメゾ研究法を探る」

講師 : 平野 隆之 (日本福祉大学社会福祉学部教授)

 私立大学学術研究高度化推進事業(学術フロンティア事業)の助成を8年間にわたって受け、日本福祉大学地域ケア研究推進センターを拠点に展開された高齢者介護、障害者自立支援、地域福祉推進に関する自治体研究の成果をもとに、ボトムアップ型の事業開発・政策形成に関する「メゾ研究法」について紹介します。事業や政策のボトムアップ形成を担う「主体」の問題と、それが地域のなかにどのように蓄積され波及的な展開を遂げるのかという「空間」の問題を、組み合わせながら解明してみたい。臨床現場での実践者・研究者にも、こうしたメゾ研究法が必要な時代になっていると確信しています。

  シンポジウム1 「若手とともに進めたメゾ研究の試行錯誤
    −地域ケア研究推進センターという実験装置−」

講師 : 奥田 佑子、佐藤 真澄、斉藤 雅茂(各地域ケア研究推進センター研究員)
コーディネーター 平野 隆之  (日本福祉大学社会福祉学部教授)        

 【講演】で紹介する研究事例の多くは、若手の研究員の方とともに試行錯誤のなかで生み出された研究成果です。高齢・障害・地域福祉の各分野でのメゾ研究への接近方法が微妙に異なることを、各研究プロセスの紹介とともに解説し、それらを統合しようとする取り組みの苦労を紹介します。若手研究員がメゾ研究法への挑戦をリアルに語るなかで、地域ケア研究推進センターの実験装置の絶妙な仕掛けを読み解きます。

 

7月19日(日)―ゼミナール・分科会

「質的研究法入門」   

講師 : 田中 千枝子 (日本福祉大学社会福祉学部教授)
    鳥巣 佳子 (兵庫医科大学病院MSW)

 ヒューマンサービスの実践現場では様々な事象が日々起こっています。実践家はそれらに対して不思議に思い、矛盾に憤り、問題改善の方法論を知りたいといった『問い』を持ちます。しかしそのままではレポートやエッセイであり、「論」述にはなりません。実践と研究との間の乖離を埋める、研究手法を身につける必要があります。とくにミクロからメゾレベルの分析・介入を考える場合、事例やインタビューなどの質的データを扱う手法が問われます。ここでは質的研究法の概論と実際について、研究事例を提示しつつわかりやすく解説してみたいと思います。研究アイデアのある方の積極的参加を期待します。

「量的調査法への誘い ― 仮説の立て方と検証の仕方」

講師 : 末盛 慶 (日本福祉大学社会福祉学部准教授)

 本分科会では量的調査法の内容を学んでいきます。具体的には、@研究における調査方法の位置づけ、A量的調査法の特徴、B量的調査法に適した研究デザイン、C仮説の構築と検証の仕方に関する講義を行う予定です。量的調査法の概要を知ることに加えて、仮説の立て方、およびその仮説の検証の仕方について説明を行いたいと思います。

「コミュニティソーシャルワークの事例研究」

事例報告者 :  勝部麗子 (豊中市社会福祉協議会地域福祉課長)
  事例報告者 :  平井俊圭 (伊賀市社会福祉協議会事務局長)
  コーディネーター :  原田正樹 (日本福祉大学社会福祉学部准教授)

 本分科会では、コミュニティソーシャルワーク実践の特徴を、事例研究によって明らかにしていきます。一般的には個別支援と地域支援の総合的な展開が特質とされる援助方法であるが、その機能が多義的であるため、より具体的なスキルとして普遍化されているとはいえません。そこで今回はアセスメントとネットワークに着目し、その内実について検討を試みます。本分科会では、コミュニティソーシャルワーカーとして先駆的な実践を展開している勝部氏に事例提供をお願いし、長年にわたって地域ケアシステムを構築してきた平井氏からの指定討論を加えて、より多角的に事例研究を行います。定員30名。

「ケアの質と施設の組織・管理」

講師 :  冷水 豊 (日本福祉大学大学院客員教授)
    石黒文子 (愛知淑徳大学コミュニティ・コラボレーションセンター助教)

 近年、ケアの質の確保・向上は、福祉サービスにとって大きなテーマであり、施設をはじめとする事業者やその職員がケアの質をめぐる課題にどのように取り組むのかが問われています。本分科会では、ケアの質をどのような観点よって捉え、どのような方策によってその確保・向上を図るかについて検討します。また、高齢者施設の事例をもとに、ケアの質に影響するさまざまな要因、およびその確保・向上のための組織・管理の望ましいあり方を検討します。

「高齢者の居住と福祉に関する研究動向とその方法」」

講師 :  児玉 善郎 日本福祉大学社会福祉学部教授
    岡部 真智子  (日本福祉大学通信教育部福祉経営学部助教)

 本分科会では、近年の高齢者の居住と福祉を取り巻く深刻な状況をふまえ、その実態を正確にとらえ、その問題改善につなげるための方策、仕組みや制度に資するといった観点からの研究動向を整理し、解説します。そのうえで、それぞれの研究方法の特徴や課題、高齢者の居住と福祉の問題へのアプローチのあり方について、具体的な例をあげながら検討していきます。さらに、参加者のみなさんの問題意識や課題をもとに、演習形式で検討を深めます。

 


《参加料金》 3,000円(1日のみでも) *本学院生・学生1,OOO円(1日のみでも)

《申し込み期間》 6月1日から7月15日(但し、定員になリ次第締め切ります)

《申し込み方法》

申込はしめきりました


・参加証、お弁当引換券などは当日現金と引き換えでお渡しします。

《問い合わせ先:平日10:00〜17:00》
日本福祉大学研究課 担当:丹羽・森田
〒470-3295 愛知県知多郡美浜町奥田
TEL:0569-87-2324 
FAX:0569-87-3973
E-mail:kakidaigakuin@ml.n-fukushi.ac.jp

《所在地》名古屋市中区千代田5-22-35
●JR「名古屋」駅よリ中央本線「中津川」行きに乗車「鶴舞」駅下車、徒歩2分。
●地下鉄「名古屋」駅よリ、東山線「伏見」駅乗リ換え、鶴舞線「鶴舞」駅下車、徒歩2分。
日本福祉大学 名古屋キャンパス北館8階

《主催》:日本福祉大学福祉社会開発研究所

《後援》日本福祉大学同窓会

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