託老所やグループホームでの活用も視野に
郡上八幡の空家の利活用をワークショップで検討

佐々木 葉 (情報社会科学部助教授)


 情報社会システム研究所では, これまで岐阜県の郡上八幡町から委託されたまちづくりに関わる研究を行ってきました. 2001 年度の 「空家の利活用」 に関する受託研究の状況を担当の佐々木葉助教授からレポートしていただきました.


 岐阜県の郡上八幡町では, ここ数年に渡って, 主に景観関係の調査やデザインの提案をしてきましたが, まちづくりの大きなテーマである中心部の空家の利活用についても調査研究を行っています. 平成 12 年度には空家の実態調査を受託し, その調査結果を情報社会科学部の野呂春文先生と共同で GIS (地理情報システム) によって提供しました. これらによって郡上八幡町の空家のデータ的なことはほぼ明らかになってきました. そこから次に一歩踏み出すために, 平成 13 年度は町の様々な人々の参加を得て, 本当に空家を使うとしたらどんなことをしていくかをワークショップで具体的に検討することとしました. 空家は基本的には住まいという機能を持っています. 今回のワークショップでは店舗などだけではなく託老所やグループホームなどの福祉的な使い方も視野に入れ, そうしたボランティア活動などを行っている人々にも声をかけて, 町民が共同で利用できるような提案の創出と支援を行うことを目的としました. そのため福祉的な居住施策が専門でワークショップの経験も豊富な社会福祉学部の児玉善郎先生と共同で, 連続ワークショップを開催中です. 第 2 回目からは, 実際の町屋をお借りしてよりリアルなイメージを膨らませつつ進めています. 平成 14 年度には 1 年間この町屋を借りて積極的に立候補した町民グループに実際に使ってもらい, 町中の空家の持ち主にも借手にも刺激を与えることで, 町民自らが考えて運営していく空家利活用の風を起こすべく, 取り組んでいます. 日本福祉大学のサテライトキャンパスにしたら? という提案もあり, 本気で考えようかな? と心そそられる佐々木です.
ワークショップ風景
 
空き家を探検
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