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表明選好法には CVM と CE がある. CVM は環境経済学の分野で発展してきたものであり,
支払意志額を直接尋ねる手法である. CE は, マーケティングの分野において発展してきたコンジョイント分析が
基礎となる. コンジョイント分析には主に rating, ranking, choice の 3 形式があるが, choice 形式が
もっとも経済理論との整合性が高く, この choice 形式が CE のことである. また CVM は評価対象全体の
価値評価を行うが, CE は評価対象が多属性で構成される場合であっても, 属性別に分解して価値評価を
行うことができる. また, 複数の代替案の提示も可能である. これらのメリットから, CE は環境評価
などの分野で盛んに用いられている. 本研究ではこの CE を用いる. CE では, まず評価対象を表現し得る属性と水準を設定する. 通常は, 少人数で構成されるフォーカスグループを つくって属性と水準の選択について検討することが多い. 次に, 属性と水準の組み合わせで構成されたプロファイルと 呼ばれるものを複数つくる. ただし属性と水準の組み合わせで生じるプロファイル数が多い場合は, 直交配列を用いて プロファイルを削減することが望まれる. そしてこれらを組み合わせて二択や三択などの選択問題をつくり, どのプロファイル (選択肢) がもっとも好ましいか被験者に選んでもらう. 実際の CE の調査票ではこのような 選択問題を複数回連続させる. そして被験者全員の選択結果を従属変数とし, 属性の水準値を独立変数として, ランダム効用理論に基づく離散選択モデルにより統計的に解析する. この結果, 選択行動に対する各属性の 影響度合を定量化することが可能となる.
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里山保全モデルの構築 (大場)
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Copyright(C):2006, The Research Institute of System Sciences, Nihon Fukushi University