障害者の情報機器アクセス手段に関する研究

KINEX チーム美浜キャンパスで始動!


 情報社会システム研究所では, 「障害者の情報機器アクセス手段に関する研究」 をテーマにして, このほど美浜キャンパスにおいて調査を開始しました.
この研究は, 障害者の情報アクセスに必要な入力デバイス選定のためのガイド作成とデバイス改良のための課題調査を目的として行なわれているものです.
 近年, コンピュータを始めとする情報機器の発展に伴い, 障害者のためにさまざまな入力補助具が開発されています. このような機器は障害者個人の特性により使い分ける必要があります. 今回の研究の目的の一つは, 手腕に障害をもった利用者が, キーボードと PD を扱いやすくする補助具と代替入力システムに絞って, 入力デバイスを個々の利用者にあわせて選定する際の手順を, システム的に行なえるようなガイドを作成することにあります.

 さらにもう一つの目的は, デバイス改良のための課題調査です. すでに存在している多くの機器の改良のために, 実際に機器を使用して, 問題点を把握しておく必要があります. 今回は, 障害の種類 (運動制御, 不随意動作, 緊張, 手腕以外の障害の有無, 種類) と程度によりどのデバイスが使いやすいかを調査し, 両者の関係を調査します. この際上肢の動きを biomechanical に解析し, 入力デバイスごとに動作の特徴を整理します. また, 使用開始時の評価のみならず, 学習の進展とともに使いやすいデバイスが変化していくかどうかも調査します.
 この研究は, 本研究所の鵜飼一彦教授が研究代表者として進めています. そして, 調査の支援には, 鵜飼研究室の学生の有志があたっています. 調査には, マッキントッシュのコンピュータとそれに対応したソフト, 機器を用います. このコンピュータソフト名にちなんで, 学生のチーム名も KINEX と名づけました.
 KINEX チームは, これまで岐阜県大垣市の財団法人ソフトピアジャパン内にある福祉メディアステーションの協力を得て, ソフトピアジャパンの日本福祉大学研究室で調査を進めてきましたが, ここの調査が一区切りしたため, このほど調査場所を美浜キャンパスに移しました. 美浜キャンパスでは, 障害学生支援センターや情報科学センターの協力を得て, 社会福祉学部, 経済学部の学生も加わり, 9号館内で調査を開始しています. (写真) この調査は, 当面, 99 年夏までを区切りとして, 約半年間続けられる予定です.
← CONTENTSへ