Viewpoint 2

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 1998 年が明けて間もなく, 1月8日夕刻から9日にかけて, 首都圏は大雪に見舞われた. ラジオやテレビはその数日前から刻々と大雪情報を流していた. その予報は実に的確であった. 翌1月 10 日, お昼ごろ, 中国河北省張家口近くの張北県を中心として M=6.2 の直下型地震が起こった. 断層の走っている地域である. しかし, この地震の発生に関して, 予知情報などはまったく出されていなかったらしい. これらに比べると, 昨年の火星探検車マーズパスファインダーは半年以上前から予告されていた通りの時刻と場所に着地した. その正確さは驚くべきであった.
 予告や予知と言っても, その方法や確度は現象によってさまざまだ. しかし, サイエンスはどのような現象に対してどの程度予知が可能かを示唆してくれる. だから, われわれはサイエンスに期待する. ただ, 科学技術は両刃の剣である. それをいかに利用するかは皆が, 責任を持って, 決めていかねばならない. その決め方をどのようにするかを真面目に考えていかねばならない. これを考究する分野が, 今後, 大きな役割を果たしていくことになるであろう. (水谷)