「変わったことと変わらないこと」
千頭 聡 (CHIKAMI, Satoshi) 教授
ひょんなことから、インドシナ半島の中央部に位置し、アジアの最貧国とも言われるラオスに初めて足を踏み入れたのが、1991年9月でした。当時は観光目的では入国も出来ず、外国人は移動の自由もありませんでした。首都ヴィエンチェンの目抜き通りもひっそりと静まり返り、国全体でも電話番号は4桁しかありませんでした。都市部を少しでも離れると、電気も水道もない村ばかりで、幼児死亡率が3割を超える村がほとんどでした。それから10数年たち、大きく変わったことは、電話がいつの間にか携帯に取って代わり、私がよく行く北部の古都ルアンパバンには、ユネスコ世界遺産を目当てに大勢の観光客が訪れるようになったことです。山奥の村にも電気が通るようになってきました。でも人々の暮らしはどうでしょうか。今も多くの人々が焼畑で生計を営んでいます。3月に森(実際には森はもうなくなって、藪ですが)を切り開き、火入れをします。6月に籾をまき、うまく雨が降ってくれると稲が育ち11月には収穫です。でも、気まぐれな天候は、時として焼畑農民の生活を大きく脅かすことになります。幼児の死亡率も山村ではさほど改善していません。そんなラオスの山奥のある村を約15年ぶりに訪ねてみました。15年前は、やっと水を貯めるタンクが出来たばかりだった村に、2年前、ついに電気が通りました。そして、村長が買った村唯一の白黒テレビには、隣国タイの番組が映し出され、村中の子ども達が食い入るように眺めていました。自分達の村の依然として厳しい生活と、テレビに映し出されるきらびやかなタイの世界とのギャップ。その様子を眺めながら、この子ども達は、これから何にあこがれ、どんな生活を求めて大きくなっていくのだろうか、期待と心配が交錯しています。ぜひ皆さんも一緒に出かけて、現場から何かを学びませんか?


ゼミ テーマ:めざせ「地球市民」:一緒に考えよう!持続可能な環境共生型社会のデザイン














