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「歴史・民俗部の活動」等

歴史・民俗部について

 知多半島は、ものづくりや廻船業がさかんな地域です。豊かな海の恵みから塩業が、粘土質に富む地質を活かして窯業がおこり、環伊勢湾地域の綿や米を原料に木綿業・醸造業が始まりました。粘土質の保水力のなさを補うために、黒鍬の土木技術を利用して雨池(溜池)が造られました。ものづくりを流通面で支えたのは伊勢湾交易であり、瀬戸内海・関東をつなぐ廻船業でした。自然の風土を活かし、人々の創意工夫によって発展してきたことが、知多半島のものづくりの特徴です。
 知多半島の持つ海に囲まれた地域の特性を、知多半島ではなく、環伊勢湾という広い視点から考えることが必要です。ここ数年、名古屋市や三重県津市で「環伊勢湾」をテーマとしたシンポジウムを開催してきました。
 その一方で、地域に暮らす人々の視点も大切です。村や字のまとまりは、それぞれ固有の文化を形成しています。各区に残された古文書には、これまで知られていなかった歴史的事実が記されています。日本福祉大学生涯学習センターの古文書講座・地域連携講座では、地域に伝えられた身近な歴史の紹介を行っています。古文書は、数百年前のことであっても、リアルタイムの臨場感を伝えてくれます。それに触発されてか、地域の人々が地域に残された話をされることもあります。地域には地域の人々にしか知らない歴史があります。それを検証することも、歴史・民俗部の仕事です。
 広い地域と狭い地域といった両方の視点を持つことで、豊かな歴史像が描けるのではないでしょうか。毎年秋に開催する歴史・民俗部研究集会では、最新の研究を報告しています。地域の歴史を地域のなかで埋没させるのではなく、その時代の社会のなかで位置づけることを心掛けています。堅いものから比較的柔らかいテーマまで、様々な歴史を扱っています。
 近年、歴史・民俗部では、愛知県史編さん室や財団法人招鶴亭文庫などとの共同研究を進めています。知多半島に残された膨大な史料は、容易に調査が済むものではありません。また、調査の成果を地域に住む多くの人々に知ってもらうことも必要です。他団体と協力し合い、多方面に発信することで、地域史への理解がよりいっそう深まるのではないでしょうか。
 さらに、歴史的資源を単なる古いモノとして捉えるのではなく、現在に活かす取り組みが大切です。古文書・道具・建造物など活かしたテーマ展示やものづくりの歴史を活かした産業観光の提示などは、歴史的資源の活用のひとつの形です。博物館などの展示が、もう少し社会に注目されるべきではないでしょうか。そのためには、歴史的資源そのものの性格の把握や社会のなかで位置づける研究が重要になってきます。「歴史っぽいもの」「昔のイメージ」のみで語られるのではなく、歴史そのものの面白さや楽しさを伝えていきたいと思っています。

歴史・民俗部長
経済学部 教授
曲田 浩和
研究分野: 日本近世史

主な受託研究

常滑市

廻船問屋瀧田家所蔵品整理業務(2004)

南知多町

尾州内海廻船館管理業務(2005)、尾州内海廻船館所蔵品等調査(2000)

碧南市

碧南市大浜陣屋資料調査(2004)

財団法人招鶴亭文庫

中埜家文書調査整理目録に関わる業務(2008)、招鶴亭文庫展示会開催・機関紙発行支援に関わる業務(2008)

株式会社ミツカンビジテック

中埜家文書類の解読等業務(2007)、中埜家文書整理業務(2006~2007)、中埜家所蔵道具調査業務(2006~2007)、(株)ミツカングルー プ本社所蔵文書整理業務(2005~2007)、(株)ミツカングループ古文  書翻刻業務(2005~2007)、(株)ミツカングループ道具調査業務 (2005)

株式会社ナカノサービス

中埜酢店創業200周年写真誌および年表編集業務(2002)、中埜酢店文書精細目録作成および編集業務(2001~2002)、中泉株式会社所蔵文書整理業務(2001)

財団法人港湾空間高度化環境研究センター

「伊勢湾・港と船の歴史(新版)」企画編集業務(2006)

国土交通省中部地方整備局・四日市港湾工事事務所

「海岸のくらしと営み~災害をのりこえて~」企画編集業務(2000)

研究所活動

歴史・民俗部研究集会(1989~/年1回開催)

南知多町内海・内田佐七家文書調査(1989~)

美浜町若松海岸廻船問屋伊藤嘉七氏宅文書調査(1990~)

常滑市北条・瀧田金左衛門家文書調査(1998~)

常滑市北条・瀧田木綿店文書調査(2000~)

内田七郎兵衛家文書調査(2002~)