山形県酒田市にあり、日本で初めての「公益学」を学べる東北公益文科大学。公益学部 公益学科 地域福祉コースで准教授を務める日比眞一さんにお話を伺いました。

学生時代を振り返って

ケヤキが立ち並び新緑に囲まれたキャンパス

 高校生の頃から、教育も福祉も興味がありました。今に比べると福祉系大学が少ない中で、どちらも学べる日本福祉大学はブランド力があり、光っている印象だったので選びました。
 当時の知多奥田はとてものどかでした。大学以外に行くところがなかったくらいなので、サークル活動は必須でしたね。入学式で美しいアカペラ四声の校歌が印象的だった「混声合唱団」に入団し、団活動についてびっくりするくらい高度な議論をしていたことを覚えています。それが今の研究職に繋がる何かを与えてくれたかもしれません。合唱コンクールでは全国大会まで進みました。楽しかったですね。
 学友とは今もSNSなどで繋がっていて、学生時代の感覚のまま友だちづきあいが出来ています。これから日福で学ぶみなさんも、良い学友に恵まれるだろうと思います。
 学業はもちろん、学友、サークル、アルバイトなどあらゆる経験が自分の宝になりますね。

福祉現場を経て大学准教授に

 日福では、中高の教員免許や福祉の資格などを取得しました。
 卒業後、大阪と福岡で専門学校や短大の講師をしていた中で、福祉現場を知っておきたい気持ちが強くなり、特別養護老人ホームの生活相談員に転身。その後は教育現場に戻り、高校教諭として働きながら大学院で学び、社会福祉学の博士号を取得して大学の教員になりました。
 現在は東北公益文科大学で准教授となり、社会福祉士の専門性について研究しています。福祉はあらゆる生活課題に取り組むがゆえに何でも屋のように見え、一般の方には何を専門にしているのかが伝わりにくいことがあります。現場の社会福祉士がどのような専門性を持った実践を行っているのか、利用者やその家族、他職種が理解出来るように説明するための中範囲理論の生成に取り組んでいます。
 また、実践力を持った社会福祉士の養成を目指して指導しています。ゼミ活動の一環として、日本福祉大学社会福祉セミナーを聴講したことがあります。地域福祉のスペシャリストである原田正樹先生をはじめとした日福の先生方の講演を山形で聴けるチャンスだったので、先生方の著述などをゼミで学生たちと輪読してから参加しました。

研究室にて
個別での卒論指導

同窓会は日福の強み

 福祉業界での名前の通り方の違いや、全国に広がっている日福ネットワークと絆の強さを感じる機会が多いですね。卒業後もセミナーや学習会など学びの機会があること、福祉に携わっている同窓生と繋がれることは日福の強みだと思います。山形に移り住んでからも参加していますが、みなさん卒業生としての誇りを持ってそれぞれの実践に取り組んでおられるので、お互い励みになります。

福祉を学びたい高校生へ

 福祉はとても幅広い課題に対応します。その背景となる社会福祉学は、高い学際性を持つことになります。日福なら幅広い福祉の世界を充分にカバーできる学びのシステムがあります。ぜひ日福か公益大で、理論も実践力も備えた社会福祉士を目指してください。

東北公益文科大学 准教授

日比 眞一さん

SHINICHI HIBI

  • 日本福祉大学 社会福祉学部 第1部 社会福祉学科 1991年卒業
  • 福岡県/明善高等学校出身

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<取材:山形最上オフィス>