建学の精神

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写真:建学の精神(鈴木修学先生直筆)内容は下記に記載。

中部社会事業短期大学は、その根本精神として、高く清き宗教的信念に根をおろした教養が積まれる場所でありたいと願うのであります。社会事業の経営について深い問題を研究すべきはもちろんでありますが、社会事業の専門的知識人を作ることよりも、永遠向上の世界観と、大慈大愛に生きる人生観を把握した健全な人格を育て、広い世界的視野をもちつつ、社会事業を通じて、わが人類のために自己を捧げることを惜しまぬ志の人を、現実の社会に送り出したいのであります。今や新しい日本は、新しい文化的基盤を要求しております。それは、真・善・美・聖の精神文化、特に従来不振の状態にある聖―即ち信仰を他にして、奈辺にも見出し難いのであります。
この悩める時代の苦難に身をもって当たり、大慈悲心・大友愛心を身に負うて、社会の革新と進歩のために挺身する志の人を、この大学を中心として輩出させたいのであります。それは単なる学究ではなく、また、自己保身栄達のみに汲々たる気風ではなく、人類愛の精神に燃えて立ち上がる学風が、本大学に満ち溢れたいものであります。
釈尊のお言葉、「我が如く等しくして異なること無からしめんと欲す」この一偈(げ)を、精神的根源としたいのであります。 これぞ本大学学徒等の、魂の奥底に鳴り響かすべき、真理追求の基調でなければならないのであります。

昭和28年4月1日
学園創立者 鈴木修学

写真:「我が如く等しくして異なること無からしめんと欲しき 鈴木修学」とかかれた直筆写真
鈴木修学先生直筆の如我等無異

学園創立者 鈴木修学先生のご紹介

写真:日本福祉大学の銘板前に立つ鈴木修学先生のモノクロ写真。
鈴木修学先生は、1902(明治35)年愛知県に生まれました。昭和初年、法音寺(愛知県名古屋市)に入門。福岡県「生の松原」の癩(ハンセン病)療養所での「救らい」活動などの社会事業に挺身しました。戦後は、法音寺山首として宗教活動に携わる傍ら、財団法人昭徳会(後の社会福祉法人昭徳会)理事長として児童や障害者の施設の運営にあたりました。
これらの実践活動の中で、困窮する人びとの救済に身を投じる社会事業専門従事者の少なさに心を痛めた修学先生は、1953(昭和28)年4月、愛知県名古屋市で「中部社会事業短期大学」を開設。続いて、「日本福祉大学」「日本福祉大学附属立花高等学校(現在の日本福祉大学付属高等学校)」を開設し、社会事業を担う人材の育成に尽力されました。
1962(昭和37)年6月、日本福祉大学附属立花高等学校で倒れられ、そのまま帰らぬ人となられました。翌年の1963(昭和38)年に、学園は創立10周年を迎え、その際、鈴木修学先生の遺志を継ぐ意味を込めて、命日の前日6月6日を学園創立記念日に制定しました。

日本福祉大学を創った鈴木修学上人の物語「日本の福祉を築いたお坊さん」
(著者:立正大学・東京福祉大学名誉教授 星野貞一郎 / 発行:中央法規出版株式会社)

  • 本書では、鈴木修学先生の生涯を紹介しています。建学の精神や創立者への理解を深めるため、毎年、日本福祉大学後援会より新入生に配布されています。

学校法人日本福祉大学の歩み

1953(昭和28年)から2021年(令和3年)までの学園の歩みを紹介しています。