修学旅行で知覧特攻平和会館を訪れた時に感じた気持ちを素直に書いていて、作者の感情の変化がよく伝わってきます。戦地に赴いた青年たちと自分たちが同じ世代、同じ人間であり、「私と同じだった」と気づきます。その感情が当時と今との違いを際立たせ、リアリティが伝わり、好感の持てる作品に仕上がっています。
「会いたい、話したい、無性に」を冒頭だけでなくエッセイの中盤で繰り返したことも、この言葉の印象をより強いものにしています。また、後半で感傷を決意に変え、自分ができることをしっかり考え、表現している点が良いですね。