新しい家族が増えることの幸せな気持ちが素直に表現されているよいエッセイだと思います。「母のお腹を触ると力強く蹴り返してくる赤ちゃん」といった作者の姿が見えてくる描写が具体的でよいですね。そして、「小さかった。涙が出た」「今までに感じたことのない気持ちがこみ上げてきて、声に出して泣いてしまった」という新しい命を迎えてうれしい反面、未熟児の小さな姿を見て胸がいっぱいになった作者の気持ちが、読んでいる私たちにも伝わってきました。さらに、「妹が指をしゃぶっている姿を見て……」というような赤ちゃんのかわいい仕草がワンセンテンスでもよいので描写されていたら、もっと良くなったと想います。