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第4分野 社会のできごと「どうして?」
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入賞者発表
第4分野 社会のできごと「どうして?」
優秀賞 「手を差しのべる」
聖マリア女学院高等学校 三年 小瀬木 彩乃
 世界には、まだたくさんの発展途上国があり、たくさんの人々が飢えに苦しんでいる。この事実は、ほとんどの人が知っている現実であるのに、どうして彼らの生活は一向によくならないのだろうと私はいつも疑問に思っている。
 先日、「世界が百人の村だったら」という本をもとにして作られたドキュメンタリーを見た。私は衝撃を受けた。まだ幼いのに長時間労働を強いられている子どもたち、たくさんのストリートチルドレン、そして少年兵士と呼ばれる子どもたちがいた。中でも私の心に強く残ったのは、少年兵士の存在である。親を目の前で殺された子どもたちは復讐に燃えていた。かつて一つの村で暮らしていた痕跡は、何一つ残されていなかった。彼らは愛されることを知らず、知っているものといえば憎しみだけである。彼らの中には、戦争はよくないと考える者もいたが、少年兵士になれば、一応食事と呼べるものではないが、食物が与えられる。だから少年兵士を続けているそうだ。身内を失った彼らにとって、生き延びる唯一の方法であろう。
 彼らのために何一つできない自分に無力さを覚えたが、私はまず彼らについて知ることができてよかったと思う。そして私はもっと日本中、世界中の人々にこの現状を認知してもらい、協力を求めるべきだと思う。
 現在私たちの学校ではフィリピンに住む経済的な理由から就学不可能な子どもたちの学資を援助する「里子募金」に取り組んでいる。一年間に三万円で十分だという。今年私のクラスが受け持つ里子は十六歳のフロラベルさんで彼女は弁護士を目指している。その夢をかなえてあげたい。私が募金を始めてから六年になるから六人の子どもたちの就学に関わったと言える。
 このような活動を通して、私のような高校生でさえ彼らに手を差しのべることは可能であると確信した。
  講 評
 書き手自身がフィリピンの就学不能な子どもたちに対する集団募金に取り組んでいる姿がよく書かれ、理想論のきれいごとだけでなく、自分たちが何をしているかまで盛り込まれている点を評価しました。「いつも疑問に思っている」と書き手の言う「疑問」もわかりやすく描かれています。強いて欠点を挙げるなら、サラッと読めてしまうこと。文章にメリハリがあると、もっと良くなったと思います。

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